No.371 シンガポール視察その2

シンガポール・教育ICTについては、先進的に取り組まれており、生徒一人一人がモバイルの端末を教科書の代替機能としてだけでなく、双方向のコニュニケーションを図るツールとして活用し、各個人が自立した学習が出来る事を目指し導入されています。

この度、ナンヤン女子中高一貫教育とキャンべラ小学校を視察して来ました。

シンガポールでは6・4・2年制で教育を実施しており、国を挙げて将来の人材を育成することに懸命に取組んでいます。教育にかける予算も一般会計の1/4も投資をしています。徹底したICT教育と教育環境 を国が責任を持って確保し、教育に携わる校長(マネジメントする人)、教師、教育省の連携・役割が明確になっています。

◆シンガポール教育省から説明聴取 

◆ナンヤン女子中高一貫校視察

シンガポールで名門の進学校です。テクノロジーという言葉が注目されている。社会人だけでなく学生にも活用できるようにすべきである。日常生活で使用しているのに学校では使用しないのはギャップを感じる事になる。テクノロジーの影響力、強みを教育に活かしていく方針を導入されました。ここで課題になるのが、ICTを学校での勉強にどのように活用していくのか?どのような方法で教えていくのか?教育省がマスタープランを策定し、全ての教師が5年間でICT教育の研修を受けます。教育省から教える人を派遣し3年かけて研修を実施し、教師の育成に国を挙げて応援しています。更にICT教育を導入すべく全学校にインフラ整備を実施しています。ICTを活用するため、専門性を持つアップル社を導入しiPadに慣れることから始められました。iPadを活用し経験することで、学習が変貌しています。生徒に力を与え、学校だけでなく様々なところで学習できる事を学んでいます。学んだ喜びを親に話すことで、iPadを使うことを親も推進する側へと変わって来ています。

3Rの教育を推進
生徒中心に個人を大切にした教育を行う。一方通行ではなく双方向のやり取りを実践し、今までのワークシートでは出来ない、学生が与えられた課題に回答し、すぐさま教師がフィードバックする事が出来る教育ICTを実践しています。何かに試していこう、新たな事に挑戦する。教育ICTを学校ごとのカルチャーとして取組みを行う。

失敗する事を恐れずに・・・
21世紀に必要な人材を育成するために、教育こそが将来のシンガポール発展に必要不可欠であると結論付けています。

                       教育ICTによる女子中学生の授業

☆ICT教育推進で生徒の就学意欲・学力向上以外の効果として・・・
 教師に教育ICTを研修し徹底することで、保護者の要望にすぐさま反応できるようになった。特に成績などデータ管理しているので、明確に応えることができ教師が保護者から信頼を勝ち取る事が出来ました。生徒の個性を活かした学校教育・方針に 理解度が以前より増したことを強調されていました。

 ◆キャンべラ小学校
 キャンベラ小学校(公立小学校)を中心に半径1km範囲に居住している子どもたち130人が徒歩通学をしています。フューチャースクールの指定を受け最先端の教育ICTを導入されています。一人一人の個性を伸ばす取組みで、名門小学校から名門中学校・高等学校に行くのではなく、キャンベラから名門校へ行かせると目標をもち取組まれています。政府が力を入れている教育ICTの導入で、低所得層の生活を打ち切ることが出来るように、貧しい人を生み出さない様に、上級へ行けるように6・7歳からICTを教えています。

                        キャンベラ小学校の取組みについて説明聴取

 iPadを小学校1年生から使わせ、ICTの環境・学習に馴染んでもらう。教師と1対1での学習に取組み、個性を伸ばすためにも一人一人に合わせて教えています。1対1の学習が出来るように、この実現に向けてアップル社と協議し進めています。週末iPadを自宅に持ち帰り、何をしても良いから月曜日に発表を行う。約1年間かけてICTに慣れてもらい、家族でiPadの利点を知るきっかけを作り、教育ICTの重要性を感じて頂くよう理解を深める努力をしておられます。また、保護者フォーラムを開催し、保護者からiPadを活用した教育方針を理解して頂く試みも実施されています。家族の理解を得て、必要なiPadを小学校2年生で初めて個人で購入します。一人一人がiPadを大切にしており、物を大切にすることを学べています。購入時に家族と記念写真を撮り、このiPadで勉強する誓いをするセレモニーを実施。買わされたのではない。与えられたものでもない。自ら求めて喜んで買ったiPadです。「大切な事は、責任を持って目的意識のあるものに使う、プレゼントですよ」と校長が語っていた事が印象的でした。リーダーの情熱、指導力を感じました。低所得層には48ドル(約4000円程度)で購入できるよう国が補助をしています。

 ICT授業(iPasdの活用)

ICT教育を実践するに当たり、教員の研修には時間を掛け、ランク別のグループなど教師間で一対一のやり方・成功事例を共有化しています。教師が科目別の成功事例を学習し育成することでレベルアップを図れた。その結果、教師にゆとりと自信が生まれ、一対一の学習に取組むことが出来た。校長先生が、フューチャースクールの意義を訴え、徹底した学校の教育方針を理解してもらうための努力が実ったといえます。改めてトップの指導力が重要であることを強く感じました。

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