No.137 交通水道委員会行政視察・報告

大阪市の常任委員会である交通水道委員会で福岡市へ行政視察をして来ました。

福岡市交通局の取組について説明聴取(福岡市役所にて)〈左から2人目、本人)

福岡市の視察項目について(一日目)
     ●福岡市の生活交通条例について
     ●福岡市交通局(人にやさしい施設整備)
     ●福岡市交通局(ICカードを活用した登下校情報の配信)
     ●福岡市交通局(パーク&ライドの取組)
     ●福岡市交通局(省エネルギーの取組)


人にやさしい施設整備について(福岡市交通局)
H17年2月に「人にやさしく地域に根ざした公共交通機関」の実現目指し、市営地下鉄 ” 七隈線(3号線) ” が開業しました。駅舎外からの誘導サインも適切に施されており、高齢者や子ども、そして障がい者なども含めた様々な利用者にとって安全で使いやすい施設となっていました。

市営地下鉄七隈線の「人にやさしい施設整備」について説明聴取(中央部 本人)
市営地下鉄七隈線では、駅の平面的なレイアウトはほぼ全駅共通です

駅の改札は車いすも通行しやすく、プラットホームまでのエレベーターが改札のすぐ横にあり非常に便利です。車いす使用者等の動線ができるだけ短くなるよう配慮され設置されていました。

車いす使用者等の動線ができるだけ短くなるよう配慮され設置されていました。


一言コメント・・・
※ ●エレベーターはプラットホームの中心に設置されています。尚、エレベーターの直前に ” 車いす対応車両 ” が停車します。
  ●エレベーター操作スイッチを壁から独立させ、左利き・右利きに対応するため両側に設置してあります。非常に良く考えられています。

鉄道駅の課題であるホームと車両の隙間、段差を解消 (隙間約50mm、段差約5mmを実現)段差については、車いす使用者等の利用者に配慮されていました。(写真は青江議員です)また、可動式ホーム柵(転落防止柵)においては、市営地下鉄七隈線だけでなく福岡市営地下鉄全線の駅舎に設置されています。

 一言コメント・・・
乗降口の隙間解消の秘密は、すべての駅舎が ” 直線のホーム ” だからです。当たり前のことのように思ったんですが、大阪市営地下鉄駅を見てみると難しさがありそうです。地下鉄を都心部のどこに通すかというルートも非常に重要ですが、「人にやさしい施設整備」というコンセプトがあり達成できたものです。

 一言コメント・・・ 
七隈線天神南駅は乗降客が一番多い為上りエスカレーター2基、下りエスカレーター1基が設置してあります。
※ 現在の地下鉄利用者は当初予測より下回っており、1基のエスカレーターで充分間に合うとの事でした。中央部の階段にも高齢者から子ども、弱視の方にも視認しやすいよう配慮されています。
※ ホームは広く、明るくきれい。移動しやすい、使いやすい空間を提供されていました。
トイレ入り口部分には人感センサーでトイレのレイアウトを音声案内します。

ホテルのトイレと遜色がなく明るくきれいです。間接照明を利用し”トイレは汚い“というイメージ転換を図っています。。。トイレは利用しやすい駅舎中央部にありました。

ウォシュレットが設置されています。

改札付近、車いす対応の改札機が1か所設置

一言コメント・・・
車いすでも券売機・精算機を利用しやすく蹴込みを設けてありました。券売機も音声案内。。。交通ICカード「はやかけん」を活用した登下校時刻メール配信サービスを実施中。カード読み取り端末機にタッチすると保護者に児童の登下校等の時刻がメール配信されます。

地下鉄駅の改札付近に設置されています。

一言コメント・・・
ICカード「はやかけん」の小学校での活用は実証実験っでは50%を下回っており普及には携帯電話との課題もありそうです。福岡市全部の小学校での実施に乗り出されるので、今後の状況に注目したいと思います。 

橋下車両基地の省エネルギー化を視察
車両基地の社屋に太陽光発電システムを設置
50KWの発電能力・・・一般家庭13戸分 
( 167W×300枚、総面積 360m2)
工場内は開放感もあり明るい。
車両基地の特色
●自然採光
●自然換気システム
●太陽光発電:50KW
●雨水利用システム
●作業排水再利用システム

太陽光発電システム・・・・41.3kwhの実績(発電能力:50kwh)


自然採光、自動換気システム、車両の清掃には雨水を利用更に作業排水を浄化させてトイレに再利用されています。安全で快適な作業環境、産業用ロボットも導入されています。地下鉄軌道敷きで撮影したように見えるでしょ。。。

 七隈線の地下鉄車両 です。リニアモータが使用されています。                (大阪市営地下鉄・長堀鶴見緑地線の技術が生かされています。)                          人に優しく柔らかな印象を表現するソフトなデザインの車両です。すごくシンプルに感じました。。。

一言コメント・・・     
網棚がなく座席区分もすっきり、広告掲示も車両中央部にはありません。
※ 全自動運転(七隈線では駅での停車、車両のトビラ開閉、発進走行は自動運転です。しかし、万が一の事故に備えてワンマン運転です。)全自動運転システムは職員数削減のために導入されましたが、国の許可が下りていません。。。    

視察を終えて・・・・・・・
 大阪市交通局では、可動式ホーム柵設置も今里筋線とコスモスクエア、トレードセンター前が完了。現在、長堀鶴見緑地線に可動式ホーム柵設置工事を実施しています。(大正駅設置完了済)早く全線に可動式ホーム柵設置や地下鉄駅舎のバリアフリー化を促進する必要があります。(地上からホームまでのワンルート確保など)
また、地下鉄車両とホームの隙間や段差があり、車いすの方が単独で乗降者できない状況です。地下鉄のホームが狭い、汚いトイレ(以前から少し改善されましたが。。。)、地下駐輪場までのルート改善(エレベーター化)、駅中事業の活性化、漏水対策など課題は山積です。大阪市営地下鉄の取り巻く環境は、民営化の問題など運営面でも刻々と変化が求められています。市営地下鉄は他都市より早くから開業しており、蓄積した経験・技術を他都市の地下鉄導入に協力をしています。福岡市も大阪市の協力に大変感謝していました。地下鉄の開業時期が早い分、様々な改良工事に困難を極めます。今後、利用される方への安全性や利便性の向上、快適感のあるサービスを提供しなければなりません。 人にやさしい地域に根ざした地下鉄の実現に向け、改善改革しなければなりません。自家用車と公共交通機関との乗り継ぎの利便性を高める「パーク&ライドの取組」を実施されていました。

交通ICカード「はやかけん」を地下鉄で利用した方に対して、時間貸駐車場「タイムズ」を運営するパーク24㈱の料金を優待するサービスも実施されていました。
※ 国(環境省)の補助金等を活用し、地下鉄6駅周辺の7か所の駐車場で実施福岡市中心部の渋滞緩和やCO2排出量削減による環境改善を図っています。駐車場の割引分(200円/日)はパーク24㈱の全額負担です。
大変参考になりました。。。様々な可能性に大阪市も挑戦しなければと感じた視察でした。

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