No.142 第2回市大中之島講座に参加

9/10(金)、第2回市大中之島講座に参加しました。「生活保護をとりまく現状と都市再生」と題して、大阪市立大学の文学部 水内 俊雄 教授の講演を拝聴させて頂きました。

水内大阪市立大学教授の講演 ( 大阪市役所7階 市会特別委員会室にて)
パワーポイントで「生活保護をとりまく現状と都市の再生」を講演

大阪市においては、国費や自治体単独事業でホームレス自立支援センターを核とする脱野宿への道をつくり、「生活保護によるセーフティネット」と、「ホームレス自立支援によるセーフティネット」の2種類の仕組みを展開しています。「ホームレス自立支援法」は、2008年7月に国の基本方針として公表され、主要自治体で検討されています。自治体におけるホームレス問題として、

●自治体の施策には、、ホームレス支援などの一時的な最低生活保障と生活保護の2つの仕組みが、社会保障の枠組みの中に位置付けられていない。
●生活に必要な住居がセーフティネットとして位置付けられていない。大阪市のように、様々な中間施設(シェルターでの支援)がない自治体では、民間アパートの借上げなどを民間やNPO法人が行政に変わり対策を講じた。生活保護以外に居住の福祉的展開はできていない。
●ホームレス自立支援は就労支援を中心に考えられていたが、民間企業への安定的就労の確保や、就労継続はさらに困難である。

以上の3項目が挙げられるとの事でした。

自治体によって、「ホームレス状況にある人が、生活保護を開始する場所がどこであったのか。」というデーターは非常に興味深いものがあった。福岡市などは生活保護受給者の82%が医療機関からである。(医療機関依存型である)また、他都市では無料低額宿泊所が92%にも達する都市もある。(首都圏の衛星都市中心である)大阪市では、病院が50%、自立支援センター30%、一般住宅16%、無料低額宿泊所1%などです。最も社会資源のバランスが取れているのは、仙台市で、無料低額宿泊所38%、一般住宅35%、医療機関16%、自立支援センター11%となっていました。民間・NPO等によるホームレス支援が先行し、公的センターによる制度や運用が後から実施された事が原因であり、自治体の制度運用に地域格差が生じたとの事でした。

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